IoT でカスタマーサクセスやってみるってよ(序章)
Akerun Advent Calendar 9日目。今回は、弊社の IoT ビジネスにおけるカスタマーサクセスへの挑戦について少し書いてみたいと思います。
初めまして、フォトシンスのカスタマーサクセスを推進している「でじ」です。
私たちは、Akerun オンライン鍵管理システムを開発、販売、サポートしています。
上記画像のように、ドアに Akerun Pro を後付けで取付後、入退出に必要なカードリーダーとドアセンサー、IoTゲートウェイとなる中継器をネットワークに接続すれば完成です。
なぜカスタマーサクセスをやるのか
フォトシンスのIoT サービスと聞いて何を思い浮かべるでしょうか?Aerun オンライン鍵管理システムは只の鍵ではないのだけど、その価値がどこまで届いているだろうか?
価値を利用者一人ひとりに届けること、接点を持った顧客担当者がプロダクトや弊社社員の立ち振る舞いに興味関心を持ち、願わくば長く愛着を持って付き合ってもらいたい。
そんな想いを、代表の河瀬をはじめ開発者、営業、マーケティング、サポート、間接部門すべてのメンバーが持っています。その想いを具体的な施策に反映させてけん引していく、それがフォトシンスの目指し体現するカスタマーサクセスです。
私たちのサービスは、契約開始した瞬間から関係がスタートします。
カスタマーサクセスとは、顧客を成功に導くもの
設置設定に躓くことがあれば、サポートチームが親身になって支援を。
稼働状況監視により疑わしい動作があれば、プロアクティブチームが予防診断を。
フォトシンスのカスタマーサクセスチームは、顧客のサービス利用体験の最大化と、
メトリクスの設定と追跡、顧客からのフィードバックや日々のサポート、サービス活用状況のデータ分析を基にしたプロダクト開発との連携が主なミッションです。
サーベイはどうやっているの?
サーベイツールの活用と直接訪問を実施しています。
カスタマーサクセス推進に当たり、利用者の声というのはとても重要です。しかし、忙しいビジネスパーソンからサーベイ回答を得ることは至難の業です。
すべての顧客から回答を得られることが現実的ではないので、どの程度の声を集めればよいのでしょうか。
そこで、サーベイをクラウドサービスとして提供している「Zendesk」,「Survey Monkey」のサーベイ回答率や目標回収率の目安を参考に設計しました。
NPS回答率を15%と仮定します。これは、他のZendesk SupportカスタマーがNPSアンケートを実施した際の標準の回答率です。
回答率はいくつもの要素によって変わってきます。例えば対象者との関係性や、アンケート実施期間、内容の複雑さ、インセンティブ、そしてアンケートのトピックなどです。 オンラインアンケートの場合には受信者との事前の関係性が無いので、回答率が 20~30% あれば極めて成功と言えます。 以前にその母集団にアンケートを実施したことが無い場合、10~15% の回答率がより手堅く安全な推測でしょう。
アンケート内容については、例えばNPS(Net Promoter Score(ネット・プロモーター・スコア)だけを実施しても、やや唐突な印象を与えてしまい正確な回答を得ることが難しい実感があります。
そこで、以下の要素を取り入れつつ、3分程度で回答できるような内容にすることで
より正確なフィードバックを得られるよう工夫しました。
回収率は、サービスにより差はあるのでしょうけど、B2B では概ね30%前後らしい。実際にサーベイを実施してみると、サーベイ送信だけで達成するのが難しいため、架電や訪問によるサーベイ協力のお願い(電話が繋がった際、そのままヒアリングしてしまうこともあります)を合わせて行うと効果的です。
声なき顧客との向き合い方
サーベイを実施した際、例えば回収目標を35%にした場合、残りの65%の声は、回収済みの声の中に反映されていれば問題ありません。
声なき顧客は、単純にサービスへの不満が特にないケースであればよいのですが、以下の可能性もあります。
- すでにサービス解約を検討している可能性
- トラブルが起きているが問い合わせしない(機器を取り外してしまっている)
そこで、声なき顧客のサービス稼働状況を分析し、「不満の予兆」を探すことで、プロアクティブなケアと、顧客との信頼関係構築を助けることになります。
サービス稼働状況の抽出、何が疑わしい動作なのかなど、エンジニアの協力が不可欠です。カスタマーサクセスチームは、エンジニアとの連携をチーム発足当初から意識しています。
KPI どーしてる?
大きな指標としては「解約率を下げる」「継続率を上げる」というゴールでよいかなと考えているのですが、日々追いかける指標としては、もう少し手前のKPIを設定すべきと考えています。
これは、契約更新のタイミングまで、実施したアクションが顧客に届いていたのか否かがわからないためです。例えば、施策がすべて的外れだった場合(極端なケースですが。。)、チームとしては急上昇した解約率と向き合わなければなりません。
具体的には、顧客の状態や行動にフォーカスしたKPIを設定しています。
- ユーザ行動(サービス、機能利用率、問い合わせ率)
- コミュニケーション(サーベイフィードバック率)
どんなチームなの?
今現在、プロアクティブチーム内にカスタマーサクセス設計、データ収集分析、活動主体を持たせつつ、今後部門横断的に活動できるような形にしていければと考えています。大切なことは「部分最適」 ではなく 「全体最適」を意識することです。
チーム作りも推進方法や活動範囲にも制限のない環境で、一緒に攻めのカスタマーサクセスを体現してみませんか?カスタマーサクセスチームの一員として、同じ釜の飯を食べ、共に顧客の成功をアシストできる仲間を募集しています。
フォトシンスには自炊部があります。炊き立てご飯とハヤシライス最高!
忙しいメンバーには、自炊部女子がおにぎりをそっと机の上に置いてくれます。
次回が(あれば)、プロダクト開発との連携、メトリクスの話、カスタマージャーニーマップの話などもしたいと思います。
また、カスタマーサクセス系のイベント企画や参加もしていますので、活動に興味を持ってくれた方はお気軽にご連絡ください。